この町のこの人

Published:2017.03.13

お名前:池田和夫さん  66才 飲食店「三輪~MIWA~」経営
    池田貴子さん  64才 飲食店「三輪~MIWA~」経営
一宮町人:2016年~
先住地:大阪府大阪市福島区

一宮町に移住を決めた理由は?

最初は大阪に近い山梨で物件を探してましたが、富士五湖に住んでいる兄に「歳をとったら暖かい場所に住むほうが良い。」と勧められて、伊豆、千葉と候補地を広げました。
初めて千葉に来たときは台風でびっくりして帰りましたが、2016年7月の2度目に来たときは、不動産会社に物件探しを依頼していました。でも、見つからない旅でした。帰ろうとしたときに奇跡が起こったんです。旅館で何気なくインターネットを見てて、この一宮の物件を偶然見つけました。旅を一日延ばして、翌日、すぐに物件を見に来たくらい嬉しかったですね。
その不動産会社の奥様も移住された方で、移住することについて色々なお話も聞けて、「ここならお店を経営しながら、ゆっくりと老後を暮らしていける。」と思って決めました。
一宮に移住する前は、大阪の福島という所に住んでました。梅田の隣にある街で、短い期間でしたが鳥専門店を営んでいたんです。関東だとあまり見ませんが、焼き鳥が串焼きじゃなくてバラ焼きで出るんですよ。東京から大阪に出張で来たお客さんや、芸能人、スポーツ選手も来てくれるくらい、お店に人気も出てました。
お昼はバタバタ忙しくて、夜も営業するスタイルだったんで、もう少しゆっくりできるお店はできないかな?と思うようになったんです。
この「ゆっくり、ゆとりのあるお店の経営ができたら。」というのも移住したきっかけです。

 

移住して良かったことは?

良かったのは「空気が綺麗」なこと。大阪で暮らしていた頃に、主人が肺炎にかかって、治療したあとも咳が止まらなかったんです。でも移住してからは咳が出なくなりました。それだけ空気が綺麗。空も青いですね。
移住前はマンション暮らしでした。それで「土地」に憧れをもっていたんです。何か植物を植えるにも、マンションではベランダに鉢植えぐらいしかできませんでしたから、こちらに来てからは夢のように広い土地で楽しんでます。

大阪だけじゃなく、都会にも新鮮な野菜や安全な有機野菜など売ってますが、一宮の地元の農家でつくった採れたて野菜は、都会とは比較にならない鮮度がありますね。それに加えて、安くて美味しいことに驚いてます。有機野菜も驚くほど安くて、つくってる農家がわかることも安心できます。
「野菜が新鮮で安い」お蔭で野菜を食べる量も増えて、新鮮なお魚も手に入るから、肉から魚メインの料理にして、ご飯も白米から玄米に変えました。食生活全体が健康的になって、食材を安く抑えられるのは嬉しいですね。
主人は健康とダイエットを兼ねて、10kmの散歩もしてるんですよ。

 

一宮町の人たちの印象は?

人との接し方は、関西での接し方と関東での接し方の違いに気遣うことがありますが、一宮の人たちは、皆さん人間性が穏やかな方ばかりなので疎外感もありません。
元旦にご近所の皆さんでお正月を祝う集まりがありました。男性が集まる新年の酒盛りのようなものですが、皆さんからお誘いを受けて一緒にお酒を飲んで楽しんだのが、移住して最初の新年です。
都会の近所付き合いの希薄さと違って、一緒にご近所の方と活動する機会が多いですね。
一宮は、若者からお年寄りまで、皆さん働き者だと思います。お年寄りも元気で70歳を過ぎても畑仕事をしていらっしゃいますね。

 

お店の名前の由来は?

母の代から初詣にいってる、奈良で有名な大神神社(おおみわじんじゃ)、別名三輪神社と呼ばれてる所で「良い移住先がみつかるように。」お願いしてました。
なかなか良い物件が見つからなかったので、必死に三輪神社でお詣りしたあとに旅に出て、今のお店と住まいに廻り会えたんです。
店名を決めるときも、お詣りのお蔭と感謝して、三輪神社の名前をお店の名前にいただいたんです。

 

人気メニューは?

メニューもまだ未完成で、これから仕上げていくところです。種類もお客様の要望を聞きながら増やしたりしてます。
スパイスの利いたカレーの評判が良いんですが、試行錯誤しながら味を調整中です。最初に心配したのは、大阪の味が受け入れられるかどうか。関東の人の味の好みに合わせようと、スパイシーさを程よく和らげたカレーの味を探りながら、お店オリジナルの味をつくり続けてる状態ですね。

大阪で鳥専門店を営んでいた頃の経験も活かして、鳥カツや鳥南蛮などをメニューに取り入れています。
ハンバーグは自信作ですよ。外食でハンバーグを食べるとしたらファミリーレストランなどのチェーン店になりますよね。ふだんハンバーグの味にオリジナリティやこだわりを感じる機会が少ないと思いました。こだわった、ここだけの味をお客様に提供できれば、ハンバーグは人気メニューになると考えてつくったんです。自分で食べても美味しいと思いますから、お客様にも喜んでいただけると思っています。
お店の味の決め手になるスパイスは、神戸から取り寄せています。一宮の新鮮な野菜を活かした組み合わせメニューにしていきますよ。

珈琲もこだわりをもってお出ししてます。小さな焙煎機で少しずつ豆を自家焙煎するんで、珈琲の苦みや酸味、まろやかさが違ってくるんです。焙煎した豆を丁寧に挽いて一杯の珈琲にする、人の手をかけたこだわりの味。生豆が手に入りづらいのが困るんですが、大阪でお店を経営していた頃のつながりで、取り寄せできてます。
お客様は地元の人も来て下さいますし、同じように移住された方も来て下さって嬉しいですね。東京から一人で来る女性の方やサーフィンに来た人たちも立ち寄ってくれてます。
大阪や神戸の友達が遊びに来たいと連絡をくれるのは嬉しいです。

 

移住してからの暮らしの変化は?

朝9時からお店の仕込みを始めて、11時30分にオープンします。ランチタイムが終わって15時に閉店。17時くらいには片付けが終わります。
仕事が終わった後は必要なものを買いに出かけたりしますが、スーパーが多いんで買い物に不便は感じません。
大阪に住んでた頃は、深夜まで活動する都会の暮らし方をしてました。一宮での暮らしは活動時間が短い、日暮れと一緒に活動時間が終わる毎日です。

お休みの日は、まだまだ旅行気分で出かけますよ。渋滞が少ないんで、千葉、幕張、船橋も意外に車で短時間で行けますね。
アクアラインから富士山が見えたときは驚きました。富士山のある景色は関西では憧れですから。
成田空港の航空博物館に行ったり、知らない千葉を楽しんでます。
つい最近、野島埼灯台にやっと行けたんです。太東岬など他にもたくさん見どころはありますから是非出かけたいですね。
海岸には自転車でよく行きます。初めて海岸に行ったときの驚きは、白い砂浜じゃなく砂が黒かったこと。今では気軽に海岸に行ってボーッとした時間を過ごしています。
まだ引っ越して短い期間ですが、静かな時間を過ごしながら、ずっと以前からここに住んでいたような気持ちになりました。
都会によくある人がつくった公園とは違って、本当の自然は、飽きないですね。

 

お店づくりのお話を聞かせてください

2016年の11月に引っ越して、夫婦二人でお店の開店準備を始めました。2017年の1月中旬に無事オープンできたんです。
物件を選ぶとき、自分たちで手を加えてお店と住居にできそうな古民家を選びました。どんなお店につくり上げるかは考えながらの作業でしたね。
初めての大工仕事だったんですよ。お店の扉やカウンター、テーブルは、二人でつくったんです。床も塗り直しました。庭の竹も自分たちで切って、お店周りの見通しの良さが気に入ってます。
お店だけじゃなく、住居の台所や洗面所も手づくりしてます。家具も、テレビ台など主人がつくってくれたものです。
古民家だけに大きく修繕が必要な場所もありました。縁側は板が抜けてしまうくらい古くなってたんで、つくり直さないで鋸で切り離して、縁側ごと無くしました。時間ができたら、新しい縁側をつくろうと思ってます。
他にも和室は、畳が古くなってるんで、フローリングの部屋にしようと計画中です。

 

2020年東京オリンピックに期待することは?

一宮町釣ヶ埼海岸が、2020年に開催される東京オリンピックのサーフィン競技場になりましたね。オリンピックで宿泊施設も併設したらどうかというお話も聞きますが、今はお店の経営第一ですから、集客につながるのが楽しみです。東浪見のブランドが世界中に広まるのは嬉しいですね。
お店を開いていて楽しいことは、沢山の人と知り合えることです。オリンピックは、きっと沢山の人たちが来てくれる機会になって、今までになかった出逢いを運んでくれると期待しています。